コラム

COLUMN - プロのインストラクターによる、ランニングに関するコラムを毎月ご紹介。

理想のランニングのために
vol.4 「機能的パフォーマンス(スタミナ・スピード・パワー)」「技術」

コラムイメージ

こんにちは。パーソナルトレーナーの長谷川聖です。

機能的動作がある程度できていれば機能的パフォーマンスに分類される領域のトレーニングを行っていくべきです。
ランニングにおいて重要な要素としては
「スタミナ(心肺持久力・筋持久力)」「スピード」「パワー(筋力×スピード)」などがあります。
一般的なランニングとしての練習をイメージすると分かりやすいかもしれません。

まずはそれぞれcの要素について簡単に説明いたします。

スタミナ

スタミナは筋持久力と心肺持久力に分かれ、両方の能力の向上が重要です。

まずは筋持久力についてです。
筋持久力は長時間にわたり、筋肉が力を発揮し続ける能力です。
強度の高いトレーニングでは筋肉内で乳酸という物質がたまります。
乳酸がたまってくると筋肉の収縮がうまくいかなくなります。
この乳酸がたまらなければ筋肉は長時間にわたり、力を発揮できるということです。

乳酸の濃度は筋肉への負荷がある強度を超えると急に高くなります。
乳酸が急に高くなるポイントをAT(無酸素性代謝閾値)と呼びます。
長時間を走るためにはATを超えない状況で走ることが重要となります。
要するにATの値が向上すると、より速いペースを維持して走ることができるようになるのです。

次に心肺持久力です。
こちらはVO₂Max(最大酸素摂取量)という値で評価ができます。
これは体にどれだけたくさんの酸素を取り込むことができるかを表しており、
この値が大きい程、一定時間内にたくさんのエネルギーを生み出せます。

そしてVO₂Max(最大酸素摂取量)の能力は心拍出量(心臓の能力)と肺換気量(肺の能力)、毛細血管数などで決まります。
この2つの能力は長い距離を走るために非常に重要で、ランニングを行う上では欠かせない能力です。

スタミナの向上

スピードとパワー

スピードは直線的な速度を指しており、パワーはそのスピードと筋力を掛け合わせた要素です。
早く走るためにはスピードは必要で、坂道を走るためにはパワーも必要となります。

スタミナ、スピード、パワーをつけるための方法

スピードは直線的な速度を指しており、パワーはそのスピードと筋力を掛け合わせた要素です。
早く走るためにはスピードは必要で、坂道を走るためにはパワーも必要となります。

【LSD(ロングスロウディスタンス)】

その名の通り長い距離を走ることを指した練習方法です。
長い距離を長時間走り続けることで毛細血管数が増加し酸素摂取能力を向上させることができます。
スタミナ向上のためのトレーニングです。

【インターバル走】

決まった距離を速いペースでの走り、少し休息を入れてから繰り返し走る練習方法です。
心拍数が落ちすぎないように、間の休息はジョギングにするなど工夫をするとよいでしょう。
心拍数を落とさずに、速度も意識して走ることでスタミナとスピードの向上をはかれます。

【ペース走】

長い距離を一定のペースで走る練習方法で、目標とするレースペースを基本とします。
例えばフルマラソンを4時間切るペースで走ることを目標とした場合、1㎞を5分40秒のペースで走ります。
平均的なペースを意識して走ることで実践的な練習となります。
こちらもスタミナとスピードの向上がはかれます。

【坂ダッシュ】

傾斜がつくことで走るときに姿勢も少し前傾姿勢となり、地面を強くけることが意識しやすい練習方法です。
これは平地よりも大きな負荷がかかるので、心肺機能と筋力の養成ができ、スタミナとパワーの向上がはかれます。
坂道の角度により最適な姿勢を取る練習は技術の向上にもつながります。

技術

最後に最上段にある「技術」についてです。いわゆる競技動作、専門の動きになります。

こちらはどのような走り方をするかにより変わってきますので、この走り方だけが正解という走り方はありません。
競技レベルが高い程、高度な戦術が用いられそれに合わせた技術が必要になるでしょう。
相手との順位を競う大会に出るのであれば、スピードの上げ下げをして、相手と駆け引きをする場合もあるでしょう。
また、スピードを落とさずに体を倒してカーブを曲がれる能力が必要になるかもしれません。

こういった戦術を含めた技術はコーチや監督といった走りの専門家が判断するところとなります。 我々トレーナーはその必要な技術に合わせて体を作っていくことが専門です。

今回はランニングに必要な基礎的な技術として「伸張反射」を用いた走り方をお伝えします。
筋肉には大きく引き伸ばされると縮もうとする性質があります。これを「伸張反射」と呼びます。
この「伸張反射」を使うことで素早く、無駄な力を使わずに足を動かすことができます。
走るときに使われる「伸張反射」としては太もも裏にあるハムストリングス、太もも前の大腿四頭筋という筋肉が重要です。
足を前に振り出したときハムストリングスが引き伸ばされ反射的に縮みます。
これにより足が後ろに素早く振り戻す力となり体を前に押し出す推進力となります。

また、足が接地する瞬間に膝が軽く曲がることで大腿四頭筋が引き伸ばされ反射的に縮みます。 これにより地面を強く押すことで体を前にする推進力となります。

「伸張反射」を使ったトレーニングをプライオメリクストレーニングと呼びます。 他の競技に比べ、長距離ランニングで必要な要素は大きくないので、体の使い方をメインに考えましょう。 「スキップ」、「スクワットジャンプ」などで力を抜く、入れるタイミングを養っていくとよいです。
「スキップ」、「スクワットジャンプ」などで力を抜く、入れるタイミングを養っていくとよいです。

また、ミニハードルをまたぎながらのランニングなどもよいです。
ハードルを置くことで通常よりも大きく走ることが求められます。
股関節を活用して足を素早く引きあげ、振り下ろすことの意識と足の接地時間を短く、
地面をしっかり捉える意識を持つことで養えます。

まとめ

機能的パフォーマンスの中で、「スタミナ」「スピード」「パワー」はランニングにおいて重要な要素となる。
中でも「スタミナ」は特に重要です。技術は専門の競技動作となるため、どのように走っていくかなど
戦術に合わせた動作が必要となり、まずは戦術を考えることからです。

インターネットの普及により、情報を得ることは容易になっています。
しかしながらその反面でご自身が欲しい情報は何かを迷う方も多いのではないでしょうか。

重要なことは何のためにその練習を行うかを理解することだと思います。
様々な方法論の中から、ご自身にあった方法を選べるように今回の記事がお役に立てれば幸いです。
もし、体のことでお悩みがあれば近くのトレーナーに是非ご相談ください。

著者イメージ
【著者プロフィール】
長谷川 聖(はせがわ きよし)

福岡県福岡市出身。
早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科卒業。
大手フィットネスクラブにて9年間勤務。
在職中は大阪、名古屋、福岡のフィットネスクラブや公共施設にて
運動指導及び施設運営に携わる。
その後、Personal Body Management株式会社に入社し、
子供から大人まで月間100本以上のパーソナルトレーニング指導を行う傍ら
デイサービスなどでの集団指導も担当している。

[保有資格]
・NSCA認定パーソナルトレーナー (NSCA-CPT)
・健康運動指導士
・メディカル・フィットネス認定介護予防運動トレーナー
・上級体育施設管理士
・AHA BLS ヘルスケアプロバイダー

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