コラム

COLUMN - プロのインストラクターによる、ランニングに関するコラムを毎月ご紹介。

【2016/08/30】

ランナーと「足」
vol.1「エチオピアの英雄「裸足のアベベ」」

コラムイメージ

こんにちは。 パーソナルトレーナーの前田有久(まえだくにひさ)です。
第1回目では、ランナーにとって切っても切りはなせないツール『シューズ』と『足』の関係についてご紹介します。


オリンピックで活躍した名選手たち

ランナーの皆様、充実したジョギングライフをお過ごしでしょうか?
リオデジャネイロ五輪ですっかりやる気になった方も多い事でしょう。

さて、これまで様々な歴史と印象的な場面を演出してきたオリンピック。
ランナーの皆様にとっては、オリンピックの数ある競技の中でも、やはりマラソンがもっとも感情移入しやすい種目でしょう。

これまでも、もちろん多くのドラマがありました。
日本人選手では、2000年・シドニー五輪の女子マラソンの高橋尚子選手の金メダルは印象深いですね。
終盤のサングラスを投げ捨ててのスパート、そして「すごく楽しい42キロでした」と答えた、満面の笑顔のレース後のインタビュー。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」 という、座右の銘。 盛り上がりましたね。

また、1984年のロスアンゼルス五輪の、スイスのガブリエラ・アンデルセン選手の熱中症でのゴールシーンは、
ランナーに限らず全てのアスリートの水分摂取に関する意識を変えるには十分なインパクトのある出来事でした。

さらに長い歴史の中での英雄と言えば、この人を忘れてはいけないでしょう。
エチオピアの英雄、アベベ・ビキラ選手です。

あの「はだしのアベベ」です。


「裸足のアベベ」の功績

1960年ローマ五輪、1964年東京五輪の、男子マラソンのゴールドメダリストであり、
ローマの裸足でのゴール後、「あと20キロ位は走れる」と言い放って、
入念なクールダウンまで始めた、ファンタジーの塊みたいな、まさに「超人」。

おそらくほとんどの皆様が、通常ランニングの際はシューズを着用されています。

このアベベ選手の様に裸足で走る方は、あまりお目にかかりません。
アベベ選手自身もローマ五輪でのレース前に持参のシューズが壊れ、現地で購入しようと思ったけれど、
自分の足にフィットするものが見つからず、結局裸足のままスタート地点に立ちました。

四年に一度のオリンピック。

しかもフルマラソン。

その舞台で「裸足でいこう」と思えるものなのか。
オリンピックの舞台だからこそ、裸足でも走ろうと考えたのか。

どうやら子供の頃からエチオピアの野山を裸足で駆け回っていた経験があり、
裸足で走る事には慣れていたそうですが、それにしても…。皆さん、想像してみてください。

例えば、マラソンのレースにエントリーして、レース直前にシューズのソールが取れてパクパクしています。
誰も予備を持っていないし、購入できるお店も無い。 となった時、裸足で走ろうと思いますか?

しかもアベベの場合、オリンピック

しかもそれで金メダルを取ってしまった。

閑話休題。

身体の土台『足』

よほどの目的がない限り、普通は我々はシューズを履いて走りますが、現在シューズも多種多様なものが市場に溢れています。
軽量にこだわったものから、反発性のあるもの、通気性の良いもの、着用感、ソールの形状、またデザイン性まで、
ランナーの皆様は御自身の競技レベルや目的に合わせて、自分に合ったシューズを選択されています。

ランナーにとって切っても切り離せないツールです。しかし、ツール以上でも以下でもない。
あくまでも「ツール=道具」です。

では、そのツールとしてのシューズの中で、42.195kmもの距離を走る間、
地面を押し続け、身体を前に押し進めている物は一体何なのか。

『足』です。

身体にとっての土台とも言える足(足首から下の部分)が機能的に働く事で、
その土台の上に存在する身体も安定し、機能的に動きます。 木の根の部分です。

ランニングに限らず、我々が立位(立って)で何かを行う際の、最も重要な場所であるとも言えます。
そんな大切な『足』について、我々はどれだけの事をご存知でしょうか?

特にランナーの皆様にとっては、根というより車輪とも言える部分。
基本的な構造や機能を身につけておく事で、練習前後のコンディショニングも、より深みのあるものになる事でしょう。

因みにアベベ選手の足の裏は、皮膚が固まってタイヤの様になっていたかと想像しがちですが、
実際は驚くほど神経が敏感だったそうです。

その四年後の1964年、シューズを履いて挑んだ東京オリンピック男子マラソンで、
アベベ・ビキラ選手はオリンピック2連覇を、世界新記録(当時)で達成しました。
オリンピックの舞台で世界新記録を出したのは、2016年8月現在、まだ現れていません。

というわけで、次回から『足(足首から下)』の構造や働きについてお話させていただきます。
お楽しみに。

著者イメージ
【著者プロフィール】
前田 有久(まえだ くにひさ)

パーソナルトレーナー。
2004年から2012年まで大手フィットネスクラブにて社員として勤務。
現在フリーランスとして京都・阪神地域にて、
月間約100本のパーソナルトレーニングセッションを担当。
フィットクラブの会員様からジュニア世代のアスリートまで、
幅広いクライアントの目的に合わせた「強い体」作りをサポートしている。
京都府出身。兵庫県在住。

[活動実績]
・極真空手…高校生ウェイト制の大会で優勝
・ゴルフ…高校全国大会に出場
・野球…ボーイズリーグの選手の甲子園常連校への進学をサポート
・その他、ラグビー・柔道・陸上(短距離、長距離両方)
・空手などの選手やダンサーのストレングストレーニングを担当
・ニューヨーク在住日本人女性シンガーのボディメイク
・世界的に有名な護身術・グレイシー柔術アカデミー認定の
 日本人国内二人目のインストラクターとして活動中。

[取得資格]
・adidas ファンクショナルトレーニング
・NESTA-PFT
・グレイシー柔術アカデミー認定インストラクター
・BFR認定トレーナー
・さとう式リンパケア上級認定インストラクター

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